「落」には「留まる・落ち着く」という意味があり、「落地生根(その地に留まり根を張る)」は「長い期間定住する」または「やっている仕事に専心して打ち込む」ということを例えた言い方です。私たちは皆台湾東部出身の原住民で、かつて北部に行って働いたこともありますが、それは単にチャンスを探すためでした。故郷や家族に素晴らしい未来をもたらすことができたら、と思ったのです。けれど時が移り変わるにつれて、故郷は存在するけれど、そこに住む人も有る物も、昔と全く違うものになってしまっていました。私たちは今、ここに留まり根を張っています。この土地に私たちの村と言える場所をつくり上げるために。
この展示を通して、私たちの故郷への思いや感謝を表すとともに、実は故郷は私たちのすぐ近くに有るのだということを伝えています。私たちが何処にいようと、そこに落ち着いて根を張れば、そこが私たちの故郷になるのです。
桃楽絲
桃楽絲の製品にはアミ族の伝統紋様が編み込まれており、素材の中に月桃の繊維がプラスされています。
月桃という伝統的な素材の応用開発は1つの挑戦であると言えます。月桃の繊維は非常に切れやすいので、細心の注意を払いながら丁寧に細かな繊維に分け、さらにそれを一本一本指で繰りながら細かく編んで精緻な伝統紋様を作り出すのは極めて難易度の高い作業です。月桃と綿麻を組み合わせ、アミ族がこの土地で育んできた植物や文化が途切れることなく受け継がれていくようにとの願いを込めています。
覓帛絲
大部分が天然の植物色素となっています。植物から色素を抽出して煮染めにしたり、藍錠で冷染色を施したり、数種類の植物色素を用いて複数回染めたりして、1つの美しい大地の色をつくり出し、さらに型染めで原住民の伝統の模様やカスタマイズされた図柄を施すと、まさに自分が求めていた精緻な贈り物または心をウキウキさせくれる装飾品に仕上がります。この愛が自然とあなたの心を染めていくことでしょう。
母の愛(ネックレス)
平面的な結び紐に変化を加え、ディテールに富んだ巻き結びにアレンジしました。また、作品には東西の飾り結び工芸を融合させ、花びらやとんぼ玉をデザインに取り入れており、飾り結び工芸と文化が織り成すバラエティの豊かさを味わうことができます。パーツには玉やとんぼ玉などの素材を用い、ネックレスやブレスレットやイヤリングといった小物から大きな壁飾りまで様々な作品を展開しています。