クリエイティビティは消費文化ではなく真の文化の上に確立されるべき。私は自身を一つのフィルターであると考え、ファッションを媒体として、原住民族の伝統文化に新しい解釈をプラスしています。
ドラゴンフライビーズアートスタジオの二代目社長である陳治憲さんは、自身のブランドの今後の発展に関する核心的な理念を次のように説明しました。「私たちはトンボ玉アートを装飾品という段階から一歩進んで、日常の生活の中に溶け込ませていきたい」ドラゴンフライビーズアートスタジオは1983年に施秀菊さんによって創設され、同ブランドは今日に至るまで40年近く発展し続けています。施さんはパイワン族文化の技芸の伝承、特にパイワン族伝統のトンボ玉制作の研究と革新に力を注ぎ、台湾屈指のトンボ玉ブランドを作り上げました。
WUMIAカルチャークリエイティブスタジオのメンバーが経営を担う「大家書房(みんなの本屋さん)」は一つの「独立書店」という形態をとった地域交流スペースで、程建喬さんの故郷である台中市大雅区の忠義村に位置しています。忠義村は一般的な「眷村(元軍人村)」とは異なり、様々な民族が融合し共に生活しています。
芙萊創芸の設立者、刀剣工芸家のブラルヤン(布拉鹿樣)さんは、「私はやめることができないんです。もしやめたら、剣を作るのをやめたルヤンが伝承を語る意味があるのか、と人々は思うでしょう」と語ります。
村に到着してあちらこちらの道を歩いていると、月をモチーフにした様々な装飾品や手工芸品を目にすることができます。神山集落に来ても「もしあの場所に行かなかったら神山集落に来たとは言えない」と言われている一つのスポットがあります。それは「イエス聖心堂」です。聖心堂はすでに60年の歴史を有し、地元の住民たちが協力し合って大きな石板を運び建造された石板建築の教会堂です。ここのマリア像は頭にルカイ族風の頭飾りと部族の花である百合の花が飾られており、他の教会では見ることのできない大きな特色の一つとなっています。また、教会の中には「右向き」の原住民族の人の形をした椅子が並べられていますが、右向きであることには、教会の教壇の方を向いてしっかり耳を傾けるという意味が込められており、この人型の椅子もまた、聖心堂が世界的にも珍しい教会であると言われる理由の一つとなっています。