原住民産業について
2020.05.15

私たちのカレーの名前は愛、あなたたちは皆私のSALIGAGA

原住民族ならではの特色豊かなカレー

「SALIGAGA」はアミ族の言葉で兄弟姉妹および親戚や親しい友人を意味しています。張盟宗さんと妻の林文馨さんは開業するにあたって幸いにも兄弟姉妹の協力を得ることができ、この店を開くという夢を果たすことができたのです。

カレーは香辛料によって作られており、その中に様々な食材を加えることができます。日本の血を受け継ぐ夫とアミ族の血を受け継ぐ妻が日本と台湾の文化を融合させ、日本風のカレーに原住民族ならではの香辛料をプラス。そうしてじっくり煮込まれたカレーライスが、同店の人気メニューとなりました。その後当初の台南の小さな屋台の店をやめて故郷の台東に戻り、市街地で1軒の小さな店を開いたのです。「SALIGAGA」という店名には、店に来て食事をした人々に、オーナー夫妻の兄弟姉妹のような関係になってほしいとの願いが込められています。

切磋琢磨の末に得た最高の結果

「色々模索中だった初めの頃は失敗ばかりでしたが、私たちはお客様からの意見や評価やアドバイスをたくさん取り入れながら、なんとかやってくることができました。とても大変でしたが、私たちは強い意志をもって、伝統の香辛料を使うことにこだわり続けたのです」オーナーの張盟宗さんはこの店を通じてもっと多くの部族の人々に仲間に加わってもらい、一緒に原住民族ならではの特色あるカレーを広めていきたいと願っています。「SALIGAGA」の料理は1品1品全てに伝統の食文化に対するこだわりが体現されており、料理を通して原住民族の青年たちのUターン就職を促進し、共に原住民料理の伝統と知恵を伝承し続けていきたいと考えているのです。

私たちの愛しいSALIGAGAになりませんか

「私たちは32種類の香辛料を使っていて、メインの食材によってそれぞれ香辛料の配合を変え、根菜類や葉の野菜をカレーの中に加えて全体のボリュームと栄養をアップさせています」根菜類からは自然な甘みが出るので過度な味付けをする必要がなく、新鮮なカラスザンショウを乾燥させてカレーに加えるだけで風味が豊かになり、一味違ったおいしさに仕上がるのです。

台東に戻ってから、オーナー夫妻は原住民集落の多くの女性や年配者と親しくなり、彼らから様々なアイディアやアドバイスを得て、SALIGAGAのカレーの可能性がどんどん広がっていきました。

2人が「SALIGAGA」を始めたのは、この店を通して彼らの理念に賛同してくれる原住民族の仲間をたくさん集め、原住民族的な特色をアピールして、それらを普段の生活の中で皆が口にする食べ物の中に溶け込ませ、わざわざ特別な場所に行かなくても食べられるようにすると同時に、原住民族の食材や香辛料を国内外の様々な場所にもっと広く普及させていきたいと考えたからです。