遊ぶのが好き、勉強は嫌い。山の中と川原は俺たちの遊び場だ。1980年代生まれのGeneration7(七字輩楽団)は、「自分たちは台北の人たちのようにたくさんの情報を吸収することはできないから、こういうことをするしかない。音楽を通じて、母語を使って自分たちのエネルギーを生み出すことしかできないんだ」と語ります。
音楽を通じてパイワン族の精神を伝え、母語を使ってポップミュージックの枠を超える
文化はGeneration7の創作の源です。母語をポップミュージックと融合させ、「俺たちは原住民族の勇士」というコンセプトで、音楽を通じてパイワン族の精神とパワーを伝えます。そのコンセプトはGeneration7の曲風やビジュアルにも反映されており、楽曲のスタイルは士気が漲っています。ややハードな印象も受けますが、他の歌手とはかなり毛色が異なり、パイワン族の楽器「鼻笛」を使った曲も作曲するなど、得意分野を生かしながら勇士のイメージを前面に押し出しています。
曲を作りながら学び、西洋音楽の要素をパイワン音楽に融合させる
創作の過程で最も難しいのはやはり歌詞を母語に翻訳することです。Generation7のメンバーたちは母語にそれほど詳しくないため、村の年配者に協力を頼んで、色々質問して学びながら、歌詞とラップをちょうどいい数に調整していきます。
メンバーたちは自分のポジショニングについて、「Generation7はヒップホップやヘビメタなどの西洋文化が大好きなバンド」と認識しています。彼らはお互いに話し合いながらそうした要素を曲の中に取り入れていくことが好きで、自分たちの大好きな音楽とパイワン族の文化を融合させることにより、今日のGeneration7が完成したのです。
仲間は共に前進する原動力 母語という素晴らしい文化で一つの地位を確立する
「音楽が好きな友人は皆たいてい思い立ったら即行動というタイプで、やろうと思ったらあれこれ考えず、すぐに実行します」。音楽をやっていると、なんだか彷徨っているような感覚に陥ることがよくあります。そんな時は同じ道を歩いている周りの仲間たちを見て、皆を前に突き動かすことのできる原動力を見つけ出します。難しいことは必要ありません。たった1本のギターや、いくつかの楽器をいじっているうちに、自分の目標が見つかるのです。
確信をもって音楽の道を進み、同時に自分の母語文化の素晴らしさも忘れることなく、それを自分の創作の中にプラスすることができたら、これは最高に素晴らしいことです。現在Generation7の楽曲のスタイルはややヘビメタ寄りで、がやがやと騒がしい音楽は苦手という人もいることでしょう。しかし彼らは、音楽ファンの皆さんにもう一度改めてGeneration7の音楽性を知ってもらいたいと願っています。Generation7は3~5年後には台湾でさらにパワフルな活躍を繰り広げ、同時に世界的なミュージックフェスティバルにも参加して、様々な環境の中で依然勇士の精神を保ち続けるGeneration7の姿をより多くの人たちに見てもらえることを目指しています。